## 【米国株式市場】ニューヨーク市場NYダウ: 44,130.98 ▼330.30 (7/31) NASDAQ: 21,122.45 ▼7.23 (7/31)### 1.概況前日の米国市場は主要3指数が揃って下落となりました。ダウ平均は、204ドル高の44,665ドルで取引を開始しました。朝方に発表された経済指標が堅調であったとの見方から、序盤は小幅高での推移となるも、FRB(米連邦準備制度理事会)による利下げ期待の低下やトランプ大統領による薬価引き下げ要求がヘルスケア関連の銘柄に売りを呼んだことが重石となり、後半にかけて弱含みました。本日1日に控える雇用統計を前に、持ち高調整の売りも重なったことで最終的には330ドル安44,130ドルと続落で取引を終えました。 ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は7ポイント安の21,122ポイントで反落となりました。S&P500株価指数は23ポイント安の6,339ポイントとなり続落で取引を終えました。### 2.経済指標等6月のPCE価格指数は、変動の大きいエネルギーと食品を除いたコア指標で前月比0.3%上昇と市場予想に一致した一方で、前年同月比では2.8%上昇となり小幅ながら市場予想を上回りました。新規失業保険申請件数は、21.8万人と市場予想を下回り、労働市場は底堅さがうかがえる内容となりました。### 3.業種別動向S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち2業種が上昇しました。コミュニケーション・サービスが2%以上の上昇となったほか、公益事業が1%未満の小幅高となりました。一方で9業種が下落し、ヘルスケアが2%後半台の下落となり、不動産が1%超の下落、そのほか7業種が1%未満の小幅安で取引を終えました。### 4.個別銘柄動向ダウ平均構成銘柄では、30銘柄中8銘柄が上昇となりました。前日に堅調な決算内容を発表したマイクロソフト[MSFT]が4%近く上昇し、上昇率トップとなりました。続いてスリーエム[MMM]とアマゾン・ドットコム[AMZN]が1%台後半の上昇となりました。一方で、22銘柄が下げ、アナリストによる投資判断の引き下げが伝わったユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が6%以上下落となりました。同じくヘルスケアのメルク[MRK]も4%以上下落したほか、アイビーエム[IBM]など計4銘柄が2%以上の下落となりました。 ダウ平均構成銘柄以外では、好決算と堅調な先行き見通しを示したメタ・プラットフォームズ[META]が11.3%上昇となりました。一方でトランプ大統領がメディケイド(低所得者向け医療保険)対象薬品価格の引き下げを書簡で要求したと伝わり、これによる収益減懸念からイーライ・リリー[LLY]が2.6%下落となりました。また半導体株も売られ、クアルコム[QCOM]は7.7%下落、ブロードコム[AVGO]は3.0%下落となりました。### 5.為替・金利等長期金利は、前日から横ばいの4.37%となりました。8月1日朝のドル円は前日の日銀金融政策決定会合を受け、150円台後半で推移しています。## VIEW POINT: 今日の視点前日の米国市場は主要3指数が揃って下落となりました。これを受けて今日の日本市場も、軟調なスタートが予想されます。中でもトランプ大統領が薬価引き下げを要求したヘルスケアには日本でも連想売りが出る可能性があるでしょう。一方で円安が下値を支えると考えられます。後場にかけては今晩発表される7月の米雇用統計を前に様子見ムードが広がる展開が予想されます。(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
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【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 44,130.98 ▼330.30 (7/31)
NASDAQ: 21,122.45 ▼7.23 (7/31)
1.概況
前日の米国市場は主要3指数が揃って下落となりました。ダウ平均は、204ドル高の44,665ドルで取引を開始しました。朝方に発表された経済指標が堅調であったとの見方から、序盤は小幅高での推移となるも、FRB(米連邦準備制度理事会)による利下げ期待の低下やトランプ大統領による薬価引き下げ要求がヘルスケア関連の銘柄に売りを呼んだことが重石となり、後半にかけて弱含みました。本日1日に控える雇用統計を前に、持ち高調整の売りも重なったことで最終的には330ドル安44,130ドルと続落で取引を終えました。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は7ポイント安の21,122ポイントで反落となりました。S&P500株価指数は23ポイント安の6,339ポイントとなり続落で取引を終えました。
2.経済指標等
6月のPCE価格指数は、変動の大きいエネルギーと食品を除いたコア指標で前月比0.3%上昇と市場予想に一致した一方で、前年同月比では2.8%上昇となり小幅ながら市場予想を上回りました。新規失業保険申請件数は、21.8万人と市場予想を下回り、労働市場は底堅さがうかがえる内容となりました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち2業種が上昇しました。コミュニケーション・サービスが2%以上の上昇となったほか、公益事業が1%未満の小幅高となりました。一方で9業種が下落し、ヘルスケアが2%後半台の下落となり、不動産が1%超の下落、そのほか7業種が1%未満の小幅安で取引を終えました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では、30銘柄中8銘柄が上昇となりました。前日に堅調な決算内容を発表したマイクロソフト[MSFT]が4%近く上昇し、上昇率トップとなりました。続いてスリーエム[MMM]とアマゾン・ドットコム[AMZN]が1%台後半の上昇となりました。一方で、22銘柄が下げ、アナリストによる投資判断の引き下げが伝わったユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が6%以上下落となりました。同じくヘルスケアのメルク[MRK]も4%以上下落したほか、アイビーエム[IBM]など計4銘柄が2%以上の下落となりました。
ダウ平均構成銘柄以外では、好決算と堅調な先行き見通しを示したメタ・プラットフォームズ[META]が11.3%上昇となりました。一方でトランプ大統領がメディケイド(低所得者向け医療保険)対象薬品価格の引き下げを書簡で要求したと伝わり、これによる収益減懸念からイーライ・リリー[LLY]が2.6%下落となりました。また半導体株も売られ、クアルコム[QCOM]は7.7%下落、ブロードコム[AVGO]は3.0%下落となりました。
5.為替・金利等
長期金利は、前日から横ばいの4.37%となりました。8月1日朝のドル円は前日の日銀金融政策決定会合を受け、150円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
前日の米国市場は主要3指数が揃って下落となりました。これを受けて今日の日本市場も、軟調なスタートが予想されます。中でもトランプ大統領が薬価引き下げを要求したヘルスケアには日本でも連想売りが出る可能性があるでしょう。一方で円安が下値を支えると考えられます。後場にかけては今晩発表される7月の米雇用統計を前に様子見ムードが広がる展開が予想されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)